どうも、いちです。
ISMや雇用統計で米国株はまた息を吹き返しましたね。
月末・月初ということで方向性を見極めてからにしようと考えて居ましたが、とりあえずは上昇トレンド継続って感じですね。あとはひたすら押し目を拾っていくのが良さそうです。
(最近は指数売買ばかりやっていました。NASDAQはボラもあってよかったです)
ファンダ関係も一旦落ち着きそうなので、また個別株に戻りたいと思います。
(決算書や市場分析もやってたらかなり時間がかかりましたが、いい勉強になりました)
私の今一番欲しい個別株は、今回記事にする【TTD】theTradeDeskです。
この会社の紹介と優位性について書いてみました。
トレード・デスクってどんな会社?
トレード・デスクは広告業界のひとつの企業なのですが、いわゆる皆さんが想像している広告企業ではありません。それを説明するには現在の広告業界がどのようになっているかを理解する必要があります。
現在の広告業界
市場の基本情報ですが、あまり馴染みのない業界かと思うので確認しておきましょう
電通が広告業界の見通しを出しているので、それを参考にしています。
世界の広告費成長は右肩上がりの成長を続けてきています。

皆さんもよく目にする広告ですが、様々な媒体があることは説明しなくてもいいでしょう。
新聞の発行数は減少傾向にあり、その代わりに広告業界を牽引してきたのが「デジタル広告」なのです。その成長率とシェアの予想は下図のようになっています。

ご覧の通り、紙媒体は縮小傾向にあり
デジタル媒体は増加傾向にあります

テレビ広告よりもデジタル広告の方が
既にシェアは高いのです
そのため、右肩上がりの市場の中でもデジタル広告はさらに成長が見込まれるというわけです。
デジタル広告
もうちょっと広告について説明させてください。
(広告業界なんてどうでもいいって人は飛ばしてもらっても大丈夫です。)
テレビや新聞などの既存メディアによる広告の戦略は、
大多数の人に製品・サービスを宣伝する
ことですが、これってすごい無駄が多い広告になりますよね?
だって興味がある人もない人も、ごちゃ混ぜにして売りたい商品の広告を打っているわけですから
極端な例を挙げると、
ヴィーガンの方にハムやソーセージの広告を打っても響かないのは当たり前で、逆にそのような人々にはビヨンドの代替肉の方がきっと響きますよね?
ターゲットに響くような広告を出す。
つまりターゲットによって広告を変えられるようにしたデジタル広告の方が消費者には有効なわけです。
ネット検索と広告
テレビならば番組の間に挟まれるCMが広告なわけですが、CM時間には限りがあり更には番組数自体にも限りがあります。
しかし、インターネット上ではどうでしょう?
例えば「お肉」と検索した場合、数えるのも苦労するほど「肉」に関係したサイトが出てきますよね。また「牛肉 赤身」で調べている人はきっと「赤身の牛肉」を探しているわけなのでだいぶ広告対象も絞れてきました。このようなサイトに赤身が有名な牛肉の広告を出した方が費用対効果的は大きいのですよね?
(もちろんブランド向上のためにあえて不特定多数へ流すCMもあると思いますが…)
ただそうすると問題なのが、広告主がどの媒体(サイト)にいくらで広告を出すかを一つひとつ交渉するのが、とてもじゃないけど面倒過ぎるという事です。
この問題の解決方法は、簡単に説明すれば
サプライヤーさんがいて、大量に買い付けた広告枠を広告主にバラ売りする
これで広告主は交渉先をサプライヤーにまとめることができます。
ただ、今度はサプライヤーさんにも問題が出てきます。それは
バラ売りしても結局は人気商品(人気広告枠)だけが売れて、その他の商品は残ってしまう
これじゃ困りますよね。
これを解決するのがプログラマティック広告です。
プログラマティック広告
皆さんご存知の通り、現在では検索時に自動的に「cookie」という履歴みたいなものが残るようになっており、それを使えば、「どの」ユーザーが「何」に興味があるのかわかるようになっています(これを「オーディエンスデータ」と言います)。
つまり、「オーディエンスデータ」を使えばどのサイトを消費者が見ていようがユーザーが興味のある広告を常に提示できるわけです。このようにして莫大なサイト閲覧数に適切な広告表示をすることが可能になりました。この広告表示の金額は閲覧数などにもよる訳なので、オークション形式で取引される形になります。
広告表示回数に応じて広告料を貰うわけですが、いちいちオークションで金額を決めるわけにもいかない(閲覧数が莫大過ぎてそもそも決められない)ので、最初から〇〇円のように決めて売買する訳です。これを「プログラマティック広告」と言います。
話がめんどくさくなってすみません。
まとめると
- ネット上での広告掲載枠は無数にあるので、サプライヤーさんが一旦枠を買い取って、売り出された広告掲載枠を広告主が買い取っている
- 広告枠の売買はオークション形式を採っており、現在では「プログラマティック広告」という広告手法が年々高まってきている
このようになります。
このオークション形式の、サプライヤーさん側をSSP(Supply Side Platform)と言い、広告枠が欲しいバイヤー側をDSP(Demand Side Platform)と言います。
この両者がいて広告枠の金額などが決められているのです。
トレード・デスクについて
前置きが長くなりました。
本題のTTDですが、DSP側に位置しています。
ただし、広告枠を直接買い付けているのではなく、DSP側の業務をテクノロジーでサポートしている企業です。
DSPをテクノロジーで支援
DSP側はより費用対効果の高い広告を買い付けたいのですが、そもそもどのような広告枠がより良いのかという問題にたどり着く訳です。それをテクノロジー技術でサポートしている企業が「ザ・トレード・デスク」なのです。
オーディエンスデータが無数にある限り、どのように扱えば効率的にプロモーションできるかは、もはやビッグデータやAIの世界に主戦場が移っているのです。
例えば広告媒体ならば、次のようなものがあります。
- モバイル広告:モバイル端末(スマートフォンなど)ユーザー向けの広告
- オーディオ広告:音声などによる広告。ポッドキャストなどで出てくるものなど
- 動画広告:動画配信サイトなどの動画再生時に流れる広告など
ここに更にオーディエンスデータという個人情報が掛け合わされるのですから、選択肢は無限にある訳です。
広告媒体 × オーディエンスデータ = ∞の広告枠
どのようにして広告枠を決めるか?プログラマティック広告の金額設定はどのようにするのか?すべてはテクノロジーで解決のサポートをしようというのがTTDのコンセプトなのです。
【TTD】のテクノロジー
先述した通り、広告バイヤー側は無数にある広告枠を効率的に買い付ける必要があります。TTDはその買い付けをサポートする商品を販売しています。
(詳細はHPを見てください)
例えば、人工知能エンジン「Koa™️」があります。

無数にあるオーディエンスデータを分析し、広告枠の適切な金額を顧客へ提供することができます。これで既存の広告企業から最新のテクノロジー企業というイメージができたでしょう?
ファンダメンタルズ分析
先ほどまでで企業の紹介は終わりました。
ここからは実際の投資についてのファンダメンタルについて分析してみましょう。
決算書内容
資料はSEC.govとnasdaq.comを参照しています。
2020.10.1追記
EPSのグラフはNon-GAAPのものを使うこととしました。
Non-GAAPを市場関係者が注目しているからです。新しいグラフはTwitterで公表していますので、よかったら見てください。
収益・純利益・EPSについて

収益:ほぼ右肩上がり。順調と思われる
純利益:収益と同様
EPS:概ね右肩上がり。ここ最近は市場のコンセンサスを常にアウトパフォームしている
私はアナリストではないので事実を記載したまでですが、なかなかよろしいのではないでしょうか?
特にコンセンサスをアウトパフォームし続けているところから分かるように、成長性が著しい企業のようです。
キャッシュフローについて

営業CF:本業の儲けはしっかり出ているようです
投資CF:成長企業のため、設備投資に回しているようですね
財務CF:Q1 2020で資金調達をしたようです
私は営業CFとフリーCFくらいしか注目していませんが、IPOしたばかり(2016年)なのに既にしっかりと収益を上げたれていることを考えたら十分かと思っています。
テクニカル分析
見ての通り順調な右肩上がりです。

紫線が2018年からのレジスタンスだったのですが、ついに最近ブレイクしました。
かなりの強い上昇トレンドになっています。
下の図は日足をコロナ以降で拡大したものです。

頼むからもう1回押し目を作ってくれ😭
今は高値圏ですが、このまま上昇もあり得るので高値掴みでもいいかなーって思っているくらいです。
今後の見通し
未来のことはわかりませんが、見通しは明るいような気がしています。
特に今はコロナの影響で製造活動が萎縮しており、それに伴って広告費も削られているような状況です。ですがいずれそれは解消されるため、今が(というよりも「今も」)絶好の仕込み時期のような気がしています。

このグラフは米商務省が出している産業別GDPのグラフになっています。
リーマンショックで落ち込んだ広告業界のGDPですが、その後はしっかりと成長していることが分かりますね。まぁ物を売るには広告は必須ですから当たり前ではありますが
今後の広告業界は更にデジタル広告へ偏りが出てくるので、業界の中でも既存の老舗プレイヤーと衝突しない(TTDは広告の買い付けの支援のための企業なので)この会社はとても魅力的に見えます。
いかがでしたでしょうか?
しっかり決算や市場を分析してから株は購入しましょう!!
(私も雰囲気で買ったりしていましたが、反省すべきですね)
それではまた
Are you still alive ?
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